深山黒百合

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深山黒百合高山植物と言えばクロユリは素人でも知っている。これは菊田一男の「君の名は」の主題歌になった「黒百合は恋の花、愛する人にささげれば2人は何時は結ばれる」と言うアイヌの恋物語からとった歌のためだと思うが、クロユリには「恋の花」の他に「呪いの花」としての言い伝えもある。針ノ木峠を厳冬期に越えたと言われる、戦国の武将、佐々成政の早百合という愛妾が、成政遠征中に同僚の妬みを買い、小姓岡島金一郎とのうわさを流され、それを聞くに及んで嫉妬のあまり、神通川堤にあった榎につるされて「吊るし斬り」の惨殺にあった。早百合は「もし立山に黒ユリが咲いたなら、佐々家は滅びるであろう」と言って息絶えた。秀吉に屈服された成政は、何とか秀吉に機嫌をとった貰おうと。正室の北の政所に、誰一人知らない北国の珍花としてクロユリを献上した。政所は北の花の珍花しとて狂喜して、ライバルの「淀の方」など招いて得々として茶会を開いた。この事を知った「淀の方は」白山のクロユリ3日で沢山集めて廊下にまで卑しい花然として秀吉夫妻を迎えた。北の政所の屈辱は激しく、何処にでもある花を珍花と偽り、恋敵の送る不届き者ということで成政は大国肥後に飛ばされ、領内の一揆の責任を取らされ切腹させられた。クロユリの寿命は短く10日位ですぐしおれてしまう。